北群危うし
昨晩、各巣箱の点検に行って北群の異変に気付いた。
とにかく活気がない。
蜂数も激減していた。
最も蜂数が多い群れのはずだったが、巣箱の底には多数の亡骸が横たわり、
小さな蟻が夜にも関わらず巣箱を縦横に歩き回っていた。
巣箱の外壁に張り付く蜂もなし。
巣の内外で羽を振るわす蜂もなく、静まり返った巣の様子は、明らかに他の巣と様相を異にしていた。
巣底を掃除し、蟻の通り道にも気休め程度だが妨害工作をした。
一夜明けて今日の昼に見に行くと、オオスズメバチが3頭、巣門に張り付いてミツバチを狩ろうとしていた。
動きの緩慢なオオスズメを順次網で捕獲し、半殺しでネズミ捕り粘着シートに乗せた。
一時間もすると10匹以上のオオスズメが貼り付いていた。
スズメバチの脅威が去った後も、巣箱はひっそりと静まり返っていた。
育児を止めてしまったせいか、巣を羽で送風する雰囲気がなかった。
それでも、夕方になると、外に蜂が出て来ていた。
しきりに巣門につけた「庇」や巣門をかじっていた。
巣の近くに給餌用に蜂蜜をトレーにのせておいたが、全く反応はなかった。
気になるのは、3匹ほどミツバチが巣の周りの地面を、飛べずに羽ばたきながら歩いている様子だ。
昨晩の見回りで、2回メンガタスズメに遭遇した。
一度目は壁北群で、中段の巣門に頭を突っ込み、豪快に羽をバタつかせていた。
ミツバチ達も興奮していた。
捕まえようと火ばさみを取りに行っているうちに、どこかへ行ってしまった。
二度目は南群で、上半身を巣門に突っ込んだものの、それ以上進めずにじっとしていた。
ムカデも外壁に取り付いていた。
蜘蛛の巣も増えてきた。
ミツバチの敵たちがうごめく夜だった。